
BEGINと語る「歌のチカラ」
「うた」が主役の「うたの日コンサート」と「Singing 歌いながらいこう」の共通点とは?
故郷である沖縄を舞台に、2001年から「うたの日コンサート」を開催してきたBEGIN。毎年数多くのアーティストが賛同し、地域を盛り上げてきました。22年目の今年は、3年ぶりの有観客公演とあって、地域住民はもとより、全国各地から音楽ファンが大集結。熱い2日間のイベントが繰り広げられました。第一興商も、BEGINの考え方に共感し、2007年からプロジェクトに参画しています。「うたの日」プロジェクトと、第一興商が掲げる「Singing 歌いながらいこう」の共通点や、コンサートを通して感じる「歌のチカラ」について、BEGINボーカリストの比嘉栄昇さんからお話をうかがいました。
もしも世界に歌がなかったら。 そんな思いから始まった「うたの日コンサート」
本当に復活できてよかったなと思います。祭り自体は2日間なんですけど、パレードの準備で何か月もかけますから、その間、ずっとお祭りなんですよ。
子どもたちがじいちゃんばあちゃんから祭りの作法を教わったりね。そういう時間って、やっぱり必要なんだと思います。「うたの日コンサート」にしてもそう。
3時間とか4時間とか、家族や地域の人たちとずっと一緒の場で過ごすって、なかなかないじゃないですか。あれだけの数の人が、パレードや歌によって長い時間ひとつになれる機会って。
そうなんですよ。ぼくはただ、その歌のもつチカラに寄り添って、ついていってるだけ。
とくにライブでの一体感は、その場にいてこそですからね。
根本は、歌に感謝する日を作りたかったということなんです。もしこの世に歌がなかったらと想像してみてください。
高校野球に応援団がいなかったら。プロバスケットボールやメジャーリーグに音楽がなかったらと考えると、寂しいじゃないですか。お祭りだって、歌がないとひとつになれない。ふだん何気なくあるものを、当たり前って思ってはいけないんじゃないかと考えたんです。歌に失礼だよね、と。
だから歌があることをお祝いしたかった。

コンサートで歌う歌には、新しいものだけじゃなくて、時代を超えて歌い継がれている楽曲もあります。
新旧の歌が入り混じることで、世代も時代も溶け合って融合したような空間が生まれ、それがなんとも居心地いいんですよ。結局、それも歌のチカラだと思いますね。
仲間とライブに行ったり、一緒にカラオケを歌って過ごしたあの感覚、「人生からなくしていいんですか?」って問いかけたくなる空白の数年間でした。
「歌いながらいこう」。まさにその通りですよね。電池もいらないし、充電もいらない。鼻歌だったり、子守歌とか労働歌とか、歌はつねに暮らしの中にあった。
このキャッチフレーズを見ると、確かに自分もそうしてきたなと思いました。
歌はいつもぼくらの暮らしの中で、 生きるチカラをくれた。
いつも感じていることがあります。ライブって僕たちが舵取りをする側ではあるんですけれど、舵を切るのはお客さんなんです。時には、え?そこに向かうの?って思いもかけないほうに進んでいくことも。
たとえば、急にお客さんたちが歌い出して大合唱になったり、奇跡みたいなことも起こります。仕込みでは絶対に起きない現象なんですよね。
むしろ、お客さんが作るんですよ。お客さんと演者ってガソリンと車みたいなもので、僕らはみんなに燃料をもらうから演奏できる。場の空気を作っているのは、7(お客さん):3(演者)くらいでお客さんだと感じています。
歌は生きるチカラ。僕のこれからの人生も、やっぱり歌を作って、歌い続けていくんでしょうね。

いつも身近にある「歌」。暮らしをカラフルに彩り、人と人とをつなぐ「歌」。
歌に感謝の気持ちを贈る「うたの日コンサート」を通じ、改めて大きな声で歌えることの幸せや大切さに気づかされます。歌うことは、時代も世代も超えて、明日へ向かうエネルギーになる。
楽しく豊かな毎日のために、「Singing 歌いながらいこう」ではありませんか。
取材日:2022年11月7日
「うたの日コンサート」にて
取材協力:Cafe & Bar Zen
(沖縄県石垣市大川269-7)