環境<気候変動への取組み>
■基本的な考え方
異常気象など気候変動に起因する影響は深刻化しており、気候変動への対応は地球規模の課題となっています。第一興商グループは、サステナビリティ基本方針である「カラオケを通じて社会に楽しさと明るさを提供するとともに、人々の健康で豊かな生活に寄与していく」という使命を果たしながら「環境負荷低減の取り組み」を掲げ、気候変動問題への対応を重要課題の一つと位置付けています。
■TCFD提言に基づく情報開示
気候変動が当社に与えるリスク・機会を分析し、経営戦略・リスクマネジメントに反映するとともに、その進捗を開示し、社会全体の脱炭素化に貢献しながら、更なる成長を目指してまいります。
■ガバナンス
当社は気候変動に関わる基本方針や主要事項などを検討・審議する組織として、取締役会の諮問機関である「サステナビリティ委員会」を設置しております。気候変動対応の推進状況については、取締役会にて定期報告(年2回程度)を行い、リスクと機会の実態を把握・監視できる体制を整備し、気候変動に関するガバナンスの強化を進めています。
■戦略とリスクマネジメント
リスク・機会の抽出にあたっては、移行リスクとして「政策規制:GHG排出に関する規制強化」「市場:エネルギー需給の変化」「製品・サービス:低炭素製品の需要変化と次世代技術の開発」「評判:ステークホルダーの評判変化」、物理リスクとして「慢性(2℃上昇):地球温暖化による環境変化」「急性(4℃上昇):自然災害の激甚化」の観点から各事業への影響をリスク及び機会として特定し、取り組むべき対応策を検討しました。
シナリオ分析における想定 |
想定される事業インパクト |
取り組むべき対応策 |
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リスク |
機会 |
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移行 |
政策・規制 |
炭素税導入 |
炭素税・カーボンプライシングの導入による事業コストの増加、サプライヤ仕入・物流費の増加 |
環境配慮車両の燃料性能向上による燃料費の低下 |
事業所・店舗の電気使用量の抑制 |
市場 |
エネルギー価格 |
化石燃料・電力価格の高騰により事業コストの増加 |
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再生可能エネルギー等への順次切り替え、省エネ化の推進 |
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製品/サービス |
顧客ニーズ |
新製品製造(OEM製造)のコスト増加による仕入れ費の増加 |
顧客の価値観が変化し、省エネ製品への需要が高まり、新たな購入意欲の可能性 |
顧客ニーズの先読みによる製品開発・OEM先との共同開発 |
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評判 |
ステーク |
気候変動への対応遅れによる評判の低下 |
気候変動に対する適切な対応により評判の向上 |
サステナビリティを巡る取組みの適切な情報開示 |
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物理 |
慢性 |
平均気温上昇 |
事業所の冷房・冷蔵等に必要なエネルギーコストの増加 |
インドアレジャーの利用が増加するなど、新たな顧客ニーズへの対応によるカラオケ施設の利用者増加 |
GHG(CO2)排出量の削減 |
急性 |
異常気象 |
洪水リスク高い地域にある事業所・店舗への災害リスクの増加 |
- |
被災時の地域協力 |
■指標と目標
当社グループは、カーボンニュートラルの実現に向け、当社グループの温室効果ガス排出量(Scope1およびScope2)を2050年度までに実質ゼロとすることを目指します。
具体的には、省エネルギー化の推進と再生可能エネルギー由来の電力への切り替えを段階的に拡充することなどを通じて、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
・大阪府気候変動対策【脱炭素宣言】について
当社は【大阪府気候変動対策の推進に関する条例】において、省エネ法同様に大阪府内事業場(事業所・店舗)のCO2排出量削減に係る計画・報告を条令に基づき提出しております。
2050 年のカーボンニュートラルの実現に向けた大阪府の取り組みにおいても賛同しており、【脱炭素経営宣言事業者】として登録されました。
今後も2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、取組んでまいります。
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■今後の取組みについて
2021年度分よりグループ全体での算定を開示をいたしました。引き続き、省エネルギー化への取組みと併せて情報開示を行っていきます。
また、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言」への賛同についても検討してまいります。
■環境負荷低減に向けた取り組み
・紙使用量の削減
目次本発行部数のピーク時は年間で約7,800tの紙を使用していました。当社では環境に配慮するため、業界初となる目次本とリモコンを一体化した電子目次本「デンモク」を開発し、2002年に発売を開始いたしました。
デンモクは累計で140万台(2021年6月末現在)を超えるヒット商品となりました。デンモクが広く普及したことにより、目次本発行部数のピーク時において年間約7,800t使用していた紙の使用量はゼロとなりました。
※2020年3月をもって目次本の発行を終了
・ビッグエコー店舗における環境対策
▶廃油リサイクル
▶店舗制服のリサイクル・レンタル
▶店舗照明にLEDを導入
▶バイオマスストローの導入
▶再生紙トイレットペーパーの使用
※「ビッグエコー」には、カラオケマックなどの他ブランドを含みます。