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プレスリリース

報道資料170828

2017年08月28日
株式会社ツクイ
株式会社第一興商

【ツクイ×第一興商】
「認知機能低下予防・BPSD症状軽減に関する調査研究」結果発表
および第2弾調査研究実施について

 株式会社ツクイ(神奈川県横浜市港南区 代表取締役社長 津久井 宏 以下、ツクイ)と株式会社第一興商(東京都品川区 代表取締役社長 保志 忠郊 以下、第一興商)は、2016年9月から2017年3月にかけて、ツクイが運営するデイサービスにおいて認知機能の低下予防およびBPSD(認知症による行動や心理の症状)軽減を支援するプログラムの構築を目指した共同研究を実施しました。

【「認知機能低下予防・BPSD症状軽減に関する調査研究」結果】

効果

生活総合機能改善機器「DKエルダーシステム」を用いた認知機能低下予防・BPSD軽減プログラムに参加することにより、認知機能が改善する傾向が示された。中でも生活上のいろいろな刺激が少なくなる可能性のある独居高齢者や比較的軽度の認知機能障害の集団では、認知機能の改善効果がより期待できることもわかった。また、BPSD症状が改善する傾向も示され、世帯構成別では同居の集団においてその効果が高い傾向にあった。

実行可能性

デイサービスの利用を中止した方以外は全員が参加継続でき、実行性が高いプログラムであった。「DKエルダーシステム」を用いたプログラムへの参加はとても好評で、参加者が笑顔になったり、普段は活動に消極的な方が率先して歌ったり、体を動かしたりするようになり、参加者の満足度が高いことがうかがえた。

今後の展望

プログラムの実施回数をより多くすることで介入効果が高まり、効果指標以外に参加者自身の積極性、笑顔、満足度が上がる効果が期待できる。また、介入の参加者を増やすことで、より効果を立証できると思われる。

 以上の結果を踏まえて、「認知機能低下予防・BPSD症状軽減に関する調査研究」の第2弾を2017年9月から2018年3月まで実施します。第2弾は、プログラムの実施回数を週1回から毎日に変更して参加者数を増やし、介入回数をアップさせることで、更なる効果の立証を目指します。

【「認知機能低下予防・BPSD症状軽減に関する調査研究」第2弾実施概要】

■研究フィールド
 以下の施設利用者の中から認知症に関する自立度判定を行い、軽度領域の認知症の方を対象者として選定します。

・ツクイ山科勧修寺(京都府京都市山科区勧修寺泉玉町2)
・ツクイ茨木太田(大阪府茨木市太田2-5-14)
・ツクイ福岡(福岡県福岡市南区向野2-6-5)
■プログラム
 「DKエルダーシステム」を用いた認知機能低下予防・BPSD軽減プログラムを提供します。一般社団法人日本音楽健康協会が資格認定する音楽健康指導士を研究フィールドに派遣し、デイサービス職員へのOJTも併せて行いながら、1回あたり約60分のプログラムを実践する教室を毎日開催します。

  • *
    音楽健康指導士の派遣は9月から12月までの3カ月間となります。2018年1月から3月まではデイサービス職員がプログラムを実施します。

■測定・効果検証のしかた
 第1弾の調査研究と同様に、対象者の心身に物理的な負担や影響を与えない非侵襲性とします。プログラム介入の事前と事後(3カ月後、6カ月後)に各項目を測定し、その効果を検証・分析します。

主な評価項目

評価手法

評価視点

1

自立度判定

認知症高齢者の日常生活自立度判定

日常生活の自立度を把握する

2

認知機能検査

質問法(改訂 長谷川式簡易知能評価スケール)

認知機能の状態を把握する

3

記憶・注意実行機能

Trail Making Test(A)

認知機能の変化を検証する

4

日常生活関連動作評価

基本チェックリスト IADL(老研式)

自立した日常生活の変化を検証する

5

口腔機能・滑舌

パタカテスト

口腔機能・滑舌の変化を検証する

6

その他

①BPSDの測定(阿部式簡易BPSDスコア)
②本人および家族・介護者の質的評価

質的変化を検証する

 第2弾の調査研究により、施設利用者や家族が期待する効果がDKエルダーシステムで得られ、かつ参加者のメリットを具体的に提示することができるようになり、認知症予防とBPSD改善という目的で参加者とスタッフがプログラムに取り組める動機付けにつながると考えます。

 ツクイと第一興商は、継続的な研究を実施し、双方の持つインフラやノウハウを相互活用することで、これらの課題解決を求められる認知症の方のケアに関して、新たな支援施策を提案し、他の地域、介護施設における支援方法のロールモデルとなることを目指してまいります。

「DKエルダーシステム」とは
ツクイのデイサービスをはじめ、全国の高齢者向け施設など21,500カ所以上(2017年7月末現在)に導入されており、音楽を使う、体を使う、目で観るといったプログラムの提供を通じて高齢者の心と体を元気にすることができる第一興商の介護予防・健康増進コンテンツ配信システムです。「運動・口腔・認知」など、総合的な生活機能の維持・向上の効果が認められています。

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