■総合

・楽曲別 TOP30
　2025年上半期ランキングで最も歌われた楽曲は、Mrs. GREEN APPLE「ライラック」でした。 “痛みや苦味を乗り越えて進む”というメッセージ性の強い歌詞が特に若い世代の共感を呼び、多くの人がマイクを手に取るきっかけとなっています。さらに、カラオケとしての難易度はやや高めな歌いごたえのある構成とメロディがチャレンジ精神を刺激することも、多く歌われる要因であると考えられます。ミュージックビデオの再生回数は現時点で1.6億回を超えています。

　2020年5月に配信リリースされたVaundy「怪獣の花唄」は根強い人気を誇り2位につけました。2023年および2024年年間ランキング【楽曲別】において2年連続1位の名誉を博しており、リリースから5年以上経った現在もなお歌われているカラオケ人気曲といえます。

　3位に位置付けたのは、2024年9月発売のCUTIE STREETのデビュー曲「かわいいだけじゃだめですか?」です。かわいい世界観を詰め込んだポップチューンは、TikTokで話題になったことをきっかけに、SNSなどでのシェア・再生回数などを基にSpotifyが独自に指標化したランキングであるバイラルチャートで1位に認定（2024年9月26日付）されました。 新人としては異例のストリーミングヒットで、今後の活躍にも注目が集まっています。

・歌手別 TOP20
　今年上半期にDAMで最もリクエストされた歌手は、2024年年間ランキングに続いてMrs. GREEN APPLEでした。
また、2位back number、3位Vaundy、4位あいみょん、という順位は、2024年年間ランキングと全く同じ構造となっており、今年に入ってからも引き続き安定した人気を保っていることがうかがえます。この4アーティストに共通してみられる、感情に寄り添う歌詞や伸びやかなメロディが支持につながり、カラオケ定番曲として定着したと考えられます。

■部門別

・上半期発売楽曲 TOP20
　Mrs. GREEN APPLE「ダーリン」が1位に、【楽曲別】では16位にランクインしました。
NHK総合の特別番組『Mrs. GREEN APPLE 18祭』のテーマソングとして2025年1月に配信リリースされたこの楽曲は、同番組で18歳の若者たちと共演した経験をもとに大森元貴氏が作詞・作曲を担当しました。青春の葛藤や希望をテーマにした歌詞が関心を寄せ、CDの販売枚数・デジタルダウンロード数・ストリーミング再生数を総合集計したオリコン週間合算シングルランキング（2025年1月30日付）で1位に。メロディアスな楽曲と心に響く歌詞が多くのリスナーの心をつかみ、上半期のヒット曲となりました。

・上半期アニメ作品主題歌（放送・公開・配信） TOP20
　2025年2月に配信リリースされたサカナクション約3年ぶりの新曲「怪獣」が1位を獲得。NHK総合で2024年10月から放送開始したアニメ『チ。 ー地球の運動についてー』のオープニング主題歌として書き下ろされた、同アーティスト初のアニメタイアップ曲です。Spotify Japanでリリース日の再生回数が国内歴代1位を記録、さらにリリース初日から3日間連続でデイリーチャート50万再生を国内で初めて達成したことでも話題になりました。構想期間は2年に及び、綿密に練り上げられた独特なサウンドと歌詞がアニメの世界観と見事に融合していると多くのアニメファン・音楽ファンから高い評価を受け、堂々の1位となりました。【上半期発売楽曲】でも2位にランクインし、その注目度の高さを物語っています。

・上半期発売演歌・歌謡曲 TOP20
　天童よしみ「昭和ごころ」が1位に輝きました。2024年年間ランキングの【今年（2024年）発売演歌・歌謡曲】では「昭和かたぎ」 が1位であったことからも、演歌界での安定した人気具合がうかがえます。昭和の情緒を大切にしながら、懐かしさと温もりを感じさせる歌詞と心に染み入るメロディ、そして圧倒的な歌唱力で支持を集める天童よしみ。今回のランキング結果は、演歌界におけるその不動の人気と、カラオケファンからの厚い信頼を裏付けるものとなりました。